赤ちゃんの絵本に興味がある方なら、元永定正という名前、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。「もこもこもこ」や「がちゃがちゃどんどん」「ころころころ」「もけら もけら」なんかの絵本が有名なモダンアート作家?です。
絵本はどれも、鮮やかな色遣いではあるものの、抽象的で、文も「もこ」とか「ざあー」とか「ころころ」とかだけで、意味不明といえばそれまでの、頭の固い大人が見ると、咄嗟に何が面白いのか、わからなかったりする内容です。 子供に人気のある本として、非常に評判がいいのは知っていましたが、そんなわけで、私自身が絵本を選んでいたとしたら、たぶん買わなかったのではないか、という種類の絵本でした。 まず、出産祝いに親戚から「もこもこもこ」をプレゼントされましたが、私は、読み方がわからず、親が楽しめないのは子供にも伝わるため、怪獣くんも特に興味を示しませんでした。(その時は、読み方が悪いせいだとは思ってもみず、「うちの子にはウケないな」などと思っていた…) 2冊目は、童話館のブッククラブからの配本。来月の配本予定に「ころころころ」を見つけたときは、思わず断ろうかと真剣に考えてしまいましたが、親が選ぶ限界を超えるところにブッククラブの意義があるのだからと、どうにか思いとどまり、手にしました。 小さな色とりどりの丸が並んでいるだけの絵と「ころころ」という文だけなのですが、途中、坂や崖やなどがあるので、「ころころ」だけでも、声色を使って、上り坂のゆっくり、下り坂の早くなど、ごく自然に変化を付けて読めたのですが、これが、思いの外、怪獣くんがウケてくれたので、びっくり。 結果、音程・速度・表情など、ありとあらゆる「ころころ」を工夫して読みはじめて、やっと、この手の絵本の読み方が解ったのです。音を、声の変化を、楽しむのだと。 そして、読む大人が照れずにそれを楽しめないと、子供も面白くないということにも、ようやく気づきました。 3冊目は、同じく童話館ブッククラブから「がちゃがちゃ どんどん」。 2冊目で、コツをつかんでいたので、はじめから親子でわあわあいって楽しめました。 で、届いてから約1カ月たった今日、この本を持ってきた怪獣くんは、なんと私に、一部読んでくれるまでに(ちょっと感動)。音って、やっぱり小さい子にとって、興味深いものなんですね。 ところで、こういう絵本を、初めから、なんのためらいもなく楽しめる大人は、効率主義に毒されていない人なんだろうなー、と最近思います。童話館ブッククラブの通信を読んでいても、読み方が解らなかったのは、決して私だけではなかったことが、わかるから。 現代の忙しい大人は、もう、絵本も読めないのかもしれないなぁ。
by yyunn
| 2004-11-13 11:49
| 怪獣くんの成長
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